私たちは広い中庭に出て白いベンチに並んで座った。
雲一つない真っ青な空。
太陽は柔らかい日差しを二人に注いでいた。
自分から呼び止めたはずなのに、何をどう話せばいいのかわからず沈黙。
そして彼女が先に口を開いた。
「…あたしの事…憎いでしょ?」
「…えっ…?」
驚く私に彼女は開き直るように次の言葉を続けた。
「あなたが考えてる通りだよ。
全部あたしのせい…
あなたの事を襲わせたのも、斗真がこんな事になったのも…
ぜ~んぶ私のせい…」
全身の血が逆流したかのように、カラダ全体が熱くなった。
開き直ったような態度に、こみあげてきた感情を抑えられず。
―パシン!!
私の右手はエリカさんの頬を叩いていた。
「私は…私の事はいいよ…。
私の事を憎い気持ちはよくわかるから。
だけど、斗真の事を傷つけるのは絶対に許さない。」
彼女は頬を押さえながらうつむいた。
「…ごめんなさい…ごめんなさい」
彼女の涙がポタリポタリとジーンズを濡らした。