今日は普通に話そう。
今まで通りの私で斗真に接するんだ。


そうやって

何度も自分にいいきかせながら、病室に向かって歩いていた。


斗真の病室まであとほんの少しの距離。


突然、斗真の病室から出てきたエリカさんの姿を見つけて驚いた。



彼女もすぐに私に気づいた?



少し驚いた表情をしながら、視線を下に向けた。


その時、エリカさんの瞳から涙がこぼれ落ちたように見えた。



「あ、あの…

ちょっと時間ありますか?…」


私は咄嗟にエリカさんに近づいてそんな言葉をかけていた。



突然の私からの誘いなのに、エリカさんは別段驚くようすもなく



「…あたしもあなたに話があったから…」


穏やかな表情でそう言った。