…全部あたしのせいだよね?
悪いのはあたし。



「ごめん…
斗真…ごめんね…」


「何謝ってんだよ!?どした?」


その問いに答えられないあたしを不思議そうにみてる斗真。


今のあたしができるのは、斗真を忘れる事だけ。


斗真の前から
いなくなる事だけ……。


一晩必死で考えて決めたこと。



「今日は、お別れをいいにきたの。」


「へっ?」


「あたし…イタリアのお兄ちゃんのところに行く事にしたよ。

だから…
ほら!今まで斗真には色々と迷惑とかかけちゃったし……最後にきちんと謝っとかないと心残りだし…」



「そんなの別にいいけど……

寂しくなるなぁ~」

斗真の言葉に泣きそうになった。


「何いってんのよ~
斗真には葵さんがいるじゃん?


ほんと……

幸せになってよね?斗真。」



「あぁ…エリカもな」



もっといっぱい考えてきたんだけど…
うまく言葉に出来ない自分に少しイラついた。



でも


私の瞳の中にうつる斗真の最後の姿が笑顔で嬉しかった。



「じゃ~あたしもう行くね?」




…ホントにホントにごめんね 。


そしてさよなら。


斗真…。



もう一度心の中でそう囁きながら…



涙が溢れてこないうちに慌てて部屋をでた。