斗真の望んだ通り。

彼女の部屋の前まで斗真を抱きかかえながら運んだ。


立っていられない斗真を、ドアの前に座らせてドアを強く叩いて知らせる。



きっと気づいてくれるはず…




きっと

心配して待っていたんだろうね?



すぐにドアが開き、彼女が出てきたのを見届けてから車に戻った。



斗真…



あたしがしてあげられるのはここまで…


斗真を好きな気持ちももうこれでおしまい。



もう忘れるから…


もう会わない。


この時そう心に決めていたのに…