斗真と会話を交わす事がないまま病室を後にした。


リュウさんに送ってもらった別れ際


「辛いやろうけど…なるべくそばにおる方がええ。

俺もまた行くけど…何か辛い事があったらいつでも電話しておいで」


さっきの病室での冗談まじりの言葉とは違って真面目な表情と口調だった。


「リュウさん…
ホントにありがとう」


みんなに心配ばかりかけている自分が情けなかった。


いつまでも私がくよくよしていたって事態はよくならない。


とりあえず
斗真が元気になった事を喜ぶことにした。


そして

リュウさんの言葉に明日も病院へ行こうと決めた。


せっかく奈緒ちゃんが私と斗真のためにとってくれた大切なお休みだから…。


それに


そばにいたら
もしかしたら思い出してくれるかもしれない。


小さな希望を胸にまた私は祈った。