ドアの外で倒れていた斗真をあわてて抱き起こした。


「斗真?…」


目の前の斗真の姿にかなりのショックを受けた私はパニック寸前…


「ど、どうして?
…何があったの?」

抱きかかえた私の腕にはベットリと鮮やかな赤い血液が付着。


頭部からの出血の量に手が震えた…


着ている洋服は土の汚れと血が入り交じり、顔も瞳は切れて腫れ上がった状態…


「だ…いじょう…
ぶ…だか…ら…
しん…ぱい…すんな?」


そんな状態なのに、斗真はそんな言葉を私に向けた。


「だっ…大丈夫じゃないよ…すぐに救急車呼ぶからね」


泣き出したい心境をぐっとこらえながら携帯を取り出した私は、119番を押す。


「葵…
お前に…
謝ら…なきゃ…
俺の…せい……なんだ…」


俺のせいって?


私の手をギュッとにぎりながら、苦しいのを我慢しながらも途切れ途切れに何か話そうとする斗真…

「わかった…
だけど今は喋らないで…斗真」


私は斗真の手を握り返した。


「ごめん…な…
ごめ……」


そのまま斗真の意識はなくなった…