俺は靴のまま玄関を上がり、エリカの胸ぐらをつかんで後ろの壁に強く押し付けた。


「お前さぁ…何してくれてんだよ?

葵には手出すなってあれほどいってたよな?
何とか言ってみろよ!」


大声で怒鳴りつけた俺に抵抗するでもなくエリカはジッとしていた。


「…殴りなよ…殴っていいよ」


その言葉に一瞬殴ってしまいそうだった…


それほどエリカを憎いと思った…。


だけど…

エリカの顔はヒドく腫れあがっていた。

そんなエリカを殴るわけにもいかず…


俺の拳は何度も何度もエリカの顔のすぐ横の壁へとめりこんだ。


「なぁ…葵を襲ったやつらの居場所しってるよな?」