天気予報は晴れのちくもり。降水確率は0パーセント。

なのに上空からは、ポツポツと雨がふってきた。

傘のない俺は少しスーツを濡らしたままエリカの部屋の前についた。



インターホンを何度もならしたが出てくる様子がない。


やはり連絡してくるべきだったか、と少し後悔した。


しかたなく帰ろうとして背中をむけたとき、ゆっくりとドアが開く音がした。


「…斗真?」


振り向いた俺は、大きな黒いサングラスに白いマスクをつけたエリカの姿をみて驚いた。


「…入って」


俺は促されるまま部屋に入った。