「…多分

俺の知ってるやつです…」


「…そうか」


リュウさんはそれ以上は聞こうとしなかった。


沈黙の中、
俺は抑えきれない怒りで全身が震えだした…

止められない怒りが溢れた…


「リュウさん、すいません…俺…」


俺の言動の意味をすぐに理解したリュウさんは、俺の手首を強く握った。


「やめとけ…

お前が今行ったって何にも解決せえへんやろ?

そんな簡単やないやろ?」


「じゃ……………

リュウさんは、自分の大切な彼女をあんな目にあわされてほっとけっていうんすか?」



「…あぁそうや」


俺はその返事にイラつきリュウさんの胸ぐらを掴んでいた。

「あんたに何がわかんだよ?

あんた見たんだよな?
葵があいつらにやられてるとこ…?」


俺はいいようのない腹立たしさを不条理にもリュウさんにぶつけていた。


「あいつの顔はさ~
あんなに膨れ上がるまでボコボコに殴られてんだよ…

あいつが何したっていうんだよ!

くそぉぉぉぉぉぉ!!」


どうしようもない俺の言葉にリュウさんは怒りもせずに答えた。


「斗真…

お前の気持ちは痛いほどわかる。

でも今は行くな。

今は葵ちゃんのそばにおったれ…」