携帯画面には香織の名前が点滅。


「…香織?」


「斗真っ…あのね……葵が……葵がね…」


受話器の向こうから聞こえた香織の緊迫した声に俺は動揺した。



「…香織?
落ち着いてちゃんと話してくれ…

葵は?葵に何かあったのか?」



携帯を握る手に思わず力が入る。



「葵がね…………
変な男たちに襲われたって…

でも、たまたま通りかかった人が助けてくれたみたいで…

今その人から電話もらって…

とにかく、すぐにきてやってほしいって。」



香織は涙声になりながらも、必死に話してくれた。



「襲われたって…?
葵は大丈夫なのか?」



「詳しくはわからない…とりあえず今から場所いうから…斗真もすぐに行って!
私も今からすぐ出るから…」


そう言って香織からの電話は切れた。