「ねぇ~葵ちゃんだよね?」


怪しげな車の窓から身をのり出して一人の男がそう声をかけてきた。


茶髪にピアスでいかにもって人相。


「何…ですか?何で私の名前?」


怯ますに強気に答えたつもり。


そしたら突然
助手席と後部座席のドアが開き、二人の男が車から降りてきた。

茶髪男ともう一人はかなりの大男。


「ちょっと俺たちに付き合えよ!」


そう言って私の腕を掴んで、車の中に強引に引きずりこもうとした。


「や…やめてよ!!何すんのよ~。」


このまま車に乗せられたらもう逃げられない…


辺りに人の気配はないし、とにかくここから逃げなきゃ…


私は茶髪男の股間に蹴りを入れて、腕を振りほどいてとりあえず走った。