「葵…手出して?」
「何?」
私の手のひらにのせられたのは、ひんやり冷たい南京錠。
「えっ?
これ…もしかして」
「なんか子供っぽいけどな?
葵は絶対喜ぶだろうって思ってさ…」
そう言って照れくさそうに笑いながら、油性のサインペンを差し出した。
「斗真は私の事ほんとよくわかってるね。」
いつもいつも
私の事をちゃんと考えてくれている。
そんな斗真の気持ちがほんとに嬉しかった。
メッセージ。
いざ、何を書くかと考えると、迷いに迷う。
でも…
1番ノーマルが1番いい。
だから
『斗真のそばにずっといられますように』
小さな字でそう書いた。
斗真とずっと一緒にいたい。
それは一番叶えたい願いだから…


