あれから2か月。


季節は斗真に初めて出会った冬へと移り変わろうとしていた。


突然始まった同棲生活は、特に何の問題もなく順調にすぎていた。


だけど
暗黙の了解というのか…
二人の間で、エリカさんの名前を口にする事は一度もなかった。


あの夜、胸の奥で芽生えた不安はまだ消えたわけではないけど…

エリカさんも納得してくれたのかもしれない…


そんな風に
自分に都合よく考えていた私。

不安は少しずつなくなりつつあった。


というより
なくしてしまいたかった。


きっとこのまま
斗真とずっと幸せに暮らしていける。

そう信じていたかったから。