葵と隣り合わせたエンジェルのあの夜から、エリカの様子は更に変わった。

自虐行為こそないものの、俺に対しても敵意がむき出しな状態。


「おまえの気持ちはよくわかった。

でも、恨むなら俺だけにしろ。あいつを巻き込むな」



「何で?あの女なの?
あんな奴、いなくなればいいのに…」


その言葉がさっきの電話とリンクしていいようのない不安が沸いた。



「もういいかげんにしろよ。葵に何かしたら、絶対に許さねえからな?…」


もう何を言っても伝わりそうになかった。


エリカを追い詰めることになるかもしれない…。


でも俺は家を出た。



俺がそばにいて葵を守るしかないと。