「このベット狭いよね?ダブル買っちゃおっかぁ?」


深夜2時。
シングルベットの上で膝をかかえながら座る私を、斗真の両腕が包み込む。


「俺は、結構好きだけどな~。
狭いベットで密着しながら葵と眠ると、すげー安心するしな」


「私はベットが広くなっても、斗真にぎゅうっと寄り添って眠るだろうけどね?
まぁ…結局狭くても広くても一緒かな?」


「…葵って、かわいいこと言うのな?」


そういいながら、髪の毛をくしゅくしゅされて、更にぎゅっと包み込まれた。


「キャ~やめてよ」

この人って、
突然こんなふうに私をドキッとさせる言葉と行動を連動させる。


「そんなこと言われたら、照れるし…どんな顔すればいいのかわかんないし…」

「へぇ~葵にそんな一面があったとは?
まぁ…男はそんなギャップに弱いんだけどな。」


「……」


「っていうかさ、足もう大丈夫か?」


斗真の手が湿布をはった私の足首を優しくなでた。


「うん…もう平気」

「そういえば…
葵、何であんなとこ走ってたの?」


今ごろ?