顔を少し傾けながら、エリカはゆっくりと自分の唇を近づける。


「何でそんな悲しい目であたしをみるの?
あたしってそんなに嫌われてんのかな?」


表情を変えない俺にエリカは唇を重ねる事をやめて背中を向けた。



「エリカ…?
気分が悪いって嘘?」



「…………」


「なぁ…もっと自分のこと大事にしろよ。

もう自分を傷つけたり無茶な事はやめろよ」


エリカは後ろを向いたまま黙ってうなずいた。


今の俺がエリカにかけてあげられる言葉はこれだけ…



エリカを受け入れてあげることはできないから。



俺には

アイツがいるから…