「エリカ?
もうあんまり飲みすぎんなよ?」


「うん。ごめんね斗真。」

さっきまでとは180℃も違う。

エレベーターの中でのエリカはとてもしおらしく素直だった。


エレベーターが一階についた。


「…斗真?ちょっと気分悪いんだけど」

「え?店に戻るか?」

「いい…少しだけあそこで休んでもいい?」

仕方なく向かいのビルの下のベンチに座らせる。


「だいじょぶか?タクシー呼んでくるから、ここで待ってて?」


「あっ、待って、斗真?」

エリカがあわてて俺の手をつかんだ。


「あのね…。あたしの横に座ってた人って…もしかして斗真の彼女?」

突然の質問に俺は言葉を詰まらせた。


「そか?…やっぱり?そーなんだ?」


エリカは口角を少しあげて不敵な笑みを向けたままスッと立ち上がり、俺の背中にさっと手をまわした。


「斗真お誕生日おめでとう。私からのプレゼントだよ」