そしてそれからほんの数秒後…


エリカさんは斗真の唇に自分の唇を重ねた…



…嘘?



自分の瞳に映っている光景を信じることが出来ないでいた…

早く立ち去りたいのに足がうまく動かない。




「斗真の…バカ」


その言葉と同時に涙が溢れてきて、その場からやっと立ち去った。


そのまま駅の方向へと、ただ走った。


息が続く限り、ただ走りつづけた。



溢れてくる涙を何度も何度もぬぐいながら……