店の空気が、一瞬にしてガラッと変わった。
そんな気がした。
なぜだか、とても息苦しい。
斗真の顔も見れずにいた。
「店長?どうしたんですか?気分悪いとか…?」
「う…ん、ちょっと飲みすぎたかな?」
エリカさんの顔を知らない奈緒ちゃんは、今の私の状況に気づくはずもなく、かずくんにお水を頼んでくれた。
「葵さん、もしよかったら奥のボックス席で休んでください」
「いいよいいよ。ほんと大丈夫だから」
エリカさんの事を知ってるかずくんは、きっと私の動揺した気持ちに気づいているはず…
二人の優しい気遣いに胸が熱くなった。
自分では普通に振る舞っているつもりなのに…
無理してるの
見え見えなのかもしれない。


