「…え?何で?

今日は泊まりに来てくれるって約束してたじゃん!!」


「……だから、

今日はちょっと都合悪くなって」


映画館から出た所で、急にお泊まりキャンセルを告げられた。


今まで溜め込んでいた不安な想いは一気に爆発した。


「何で?

ちゃんと理由を言ってよ。でなきゃ納得できない。」


「どうしたんだよ…葵らしくないぞ?
そんな怒るなって。
この埋め合わせは今度絶対にするからさ」


私の怒っている気持ちが、伝わらないのか斗真は軽く私の頭をなでた。


私は冷静になれなかった。

嫉妬に狂う嫌な女になっていくのを止められなかった。


「ちゃんと話して…帰らなきゃならない理由って何?


……理由はエリカさん?」