「あいつのどこがそんなにいいわけ?」 私の隣に腰を下ろす佐伯先輩。 先輩は隣に座れとポンポンと自分の横の地面を叩いた。 「全部です。顔とか声とか雰囲気も……後、彼女さんの前で優しく笑うところとか」 そう、全部。 どれだけ冷たくされても いくらひどいことを言われても それでも嫌いになれない。 むしろどんどん好きになってく。 そんな私はどこかおかしいのかもしれない。 「あいつはやめといた方がいいよ」