あービックリした。 まさか佐伯先輩が戻って来て私にあんなことを言うなんて。 もしかして助けてくれた……? いや、そんなはずは。 ないない、佐伯先輩だもん。 だけど少し、いやかなり ありがたかった。 いくら私でも、智沙先輩がいる前では平然としていられない。 2人の背中を見て、胸が苦しくなってどうしてもそこを通れなかったから。 教室に戻ると玲奈はいなくて、央太がわかりやすいくらいショボンと肩を落としていた。 「玲奈は?」 机にうなだれる央太の顔をジッと見つめる。