「ちょっと‼︎どこ行くのー?」



「上に忘れモンしたから取って来る。そういえば、さっきオニ先が智沙のこと探してたぞ」



そう言いさっき下りて来た階段に踵を返す。



「えっ?なんだろう。光流ごめん、ちょっと行って来る」



パタパタと走り去る足音を確認しつつ、ゆっくり階段を上ってバカ女が佇む場所まで戻った。



バカ女は俺に気付くことなく俯いている。



「おい、そこのバカ」



「えっ?って……げっ‼︎また先輩ですか?」



“げっ”てなんだよ、“げっ”て。


相変わらず生意気だな。



「あいつらもういねえし。教室戻れば?」



あー、なんでこのバカにこんなこと言ってんだ?


別にほっときゃいいものを。


傷付こうがどうなろうが、全部自業自得なのに。