急きょ美術の授業が自習になって。 日直だったあたしは、自習になったことを告げに来た先生から戸締まりを頼まれた。 どうやらその途中でボーッとしてたみたい。 「ちーちゃん、俺さ……」 近藤君はあたしに一歩一歩近付いて来た。 「ちーちゃんのこと」 ダンッ 「えっ、ちょ、近藤……君?」 背中には壁。 目の前には切なげな顔をした近藤君。 近藤君はあたしのすぐ横の壁に手を付いて、もう片方の手であたしの肩を掴んだ。