机に肩肘を付いたまま、ためらうように口を結ぶ智沙の顔を見上げる。 「えっと……あの……っ、光流のことでちょっと」 周りの目を気にするように周囲を見回す智沙。 「ここじゃあれだから」 そう言って出て行きたそうに廊下にちらりと目をやる。 仕方ねえな。 光流のことと言われたら、なんとなく放っておけねえ。 それに智沙が光流のことを言ってくるのは初めてだったから 余計に放っておけなかった。