なぜかそれにドキッとして 「やや、やめて下さいっ」 慌てて先輩の手を振り払った。 月明かりに照らされた魅惑的な顔立ち。 イタズラな瞳が私を捉えて、からかうように見ている。 「なに?俺にドキドキしちゃった?」 「はぁ?なに言ってんですか?ありえません‼︎」 触れられたところが熱いのはきっと私の気のせいで。 佐伯先輩にドキドキしてるなんて絶対にありえない。 ……ないない。 先輩はただ、楽しんでるだけなんだから。