泣きすぎて頭がぼんやりする。 目がパンパンになってるのが、鏡を見なくてもわかった。 やだな、今日バイトがあるのに。 今日は行きたくない。 それから智沙先輩はほどなくして戻って来た。 その手にはハンカチの包みのようなものがあって、“はい、これ”と笑顔で私に差し出した。 「保健室で氷もらって来たの。ハンカチで包んだだけだから冷たすぎるかもしれないけど、冷やせばちょっとはマシになるかと思って」 受け取るのを迷っている私に、智沙先輩はそう続けた。