「手伝おうか?」
「…えっ。い、いいよ」
「なんで?」
トン、とほうきを壁において、トモが窓のふちに足をかける。
…えっ。
そのままひょいっと窓のふちをのりこえて、ストンとあたしの前に降り立った。
靴を外に脱いだのか、靴下だ。
「ほい、ちょーだい」
通り過ぎる一年生が、あたし達を羨ましそうに見つめてくる。
びっくりしているあたしに、トモはニコニコ笑う。
その間にゴミ袋をひとつ奪われて、「早く行こー」と歩き出されてしまった。
…なに、それ。
なにその、自然に助けてあげる感じ。
トモじゃないみたいで、驚くじゃん!
「ちょっ……トモ!」
軽くなった片方の手で、よいしょとゴミ袋を持つ。
何気にあたしを待っていてくれたトモに追いつくと、はぁ、と息を整えた。



