「…重たっ」
掃除時間、あたしは一階の廊下で大量の古紙が入ったゴミ袋をふたつ、運んでいた。
クラスの男子どもが、『小城ならイケるだろ〜』とか、ふざけて言うから。
ついカチンときて、ゴミ捨てに来ちゃったけど。
あたしは確かにか弱い女子じゃないですけどねぇ、これはさすがに重いっつの!
紙束が大量に入ってて、引きずりながら歩く。
すると、廊下の窓の外で掃除をしているトモと、目があった。
「麗奈ちゃん!」
ぱあっと顔を明るくすると、あたしのところへ駆け寄ってくる。
…な、なにその、ご主人様を見つけたワンコみたいな顔。
思わずドキリとして、振り払うようにぶんぶんと首を振った。
「なにして…あ、ゴミ捨て?」
開いてる窓から顔を出して、あたしを見る。
ゴミ袋を見て、「重そう」と言った。



