青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。




恥ずかしすぎて、逃げ出してたかもしれない。

池谷くんとで、よかったなぁ。

思わずこのゆったりした空気に和んでいると、ふと池谷くんが「そういえばさぁ」と言った。


「トモに、告白されたんだってね」


………え!?

和んでいたはずの空気が、一気にぶち壊される。

え、え、ええ!?

なんで知ってんの!?

口をパクパクとさせるあたしを、池谷くんは面白そうに笑う。

いや、笑ってる場合じゃないでしょ!

「な、なんで、それっ…」

「トモから言ってきたよ。『俺、麗奈ちゃんに告白したから』って。なんであんなにケンカ腰だったのかは知らないけど」

そう言って笑う池谷くんを、恥ずかしくて見ることができない。

な、な、な…

なんで言うの、トモーー!

あたしは利乃にさえ言わなかったのにー!


「で、返事はしたの?」


ピッ、と池谷くんが、自販機のボタンを押す。

あたしは言葉に詰まって、「…ま、まだ…」とぎこちなく返事をした。