青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「…利乃ちゃんて、ときどき怖いよね」

「うわ、ヒドーっ。私だって、四人でいるのが楽しいからだもん。トモくんは違うの?麗奈ちゃんとさえいれれば、それでいい?」

利乃ちゃんの大きな瞳が、俺を見つめる。

それをまっすぐに見つめ返して、俺は笑った。


「んなわけねーじゃん。俺も利乃ちゃんと同じだよ」


彼女は、ニッコリと笑い返してくれた。





「えーと。利乃が紅茶で、トモがコーラ…」


三つある自販機を見渡して、目的のものがある場所を確認する。

隣を向いて、「池谷くんは何にする?」と訊いた。


「…んー、どうしよ。迷う」


池谷くんは自販機を見渡して、考え込む。

あたしはどうしよーかな。

甘いのが飲みたい気もするし、炭酸を飲みたい気もするし。

迷う、なぁ。

ちら、と池谷くんの横顔を見る。

なんだか真剣に考えているみたいで、ちょっと面白い。


…ジャンケン、トモとならなくてよかった。

どんな顔すればいいのかわかんないし、絶対ぎこちなくなっちゃう。