「…利乃ちゃんて、ときどき怖いよね」
「うわ、ヒドーっ。私だって、四人でいるのが楽しいからだもん。トモくんは違うの?麗奈ちゃんとさえいれれば、それでいい?」
利乃ちゃんの大きな瞳が、俺を見つめる。
それをまっすぐに見つめ返して、俺は笑った。
「んなわけねーじゃん。俺も利乃ちゃんと同じだよ」
彼女は、ニッコリと笑い返してくれた。
*
「えーと。利乃が紅茶で、トモがコーラ…」
三つある自販機を見渡して、目的のものがある場所を確認する。
隣を向いて、「池谷くんは何にする?」と訊いた。
「…んー、どうしよ。迷う」
池谷くんは自販機を見渡して、考え込む。
あたしはどうしよーかな。
甘いのが飲みたい気もするし、炭酸を飲みたい気もするし。
迷う、なぁ。
ちら、と池谷くんの横顔を見る。
なんだか真剣に考えているみたいで、ちょっと面白い。
…ジャンケン、トモとならなくてよかった。
どんな顔すればいいのかわかんないし、絶対ぎこちなくなっちゃう。



