…今夜は、寝れそうにない。
*
「トモ、なにやってんの」
翌日の、朝。
俺は教室の扉の前で、座り込んでいた。
友達が、呆れた目をして見てくる。
俺は「…やー、ちょっと…」と頭をかいた。
…昨日、麗奈ちゃんに告白したのはいいんだけど。
一晩経って、なんか恥ずかしくなってきたというか。
どんな顔して、会えばいいのか。
いや、フツーにしてりゃいいんだって、フツーに。
そう思って、立ち上がる。
「よし、開けていいよ」
「開けるの俺かよ」
友達が、ガラッと扉を開ける。
いつも通り、と思いながら、教室へ入った。
「あ、トモ、おはよー」
「はよー、トモ。あのさー」
「昨日のテレビ見たー?」
次々とかけられる声に答えながら、ちらりと麗奈ちゃんの席の方を見た。
いつも通り、利乃ちゃんと仲良く話している。



