青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「まぁ、当然だよね。麗奈ちゃんを雨の中帰らせてたら、私が慎ちゃん許さないもん」


ふふふー、と池谷くんに向かって含み笑いをする利乃。

あたしは池谷くんと目を合わせて、「やっぱりね」と肩をすくめる彼に笑った。


……さっきの利乃とトモの表情が、気になるけど。

たぶん、あたしの気のせいだ。






放課後、四人で寄り道をしながら帰ることになった。


利乃が、学校近くに新しくできたお店のアイスを食べたいとか、トモが新曲のCD出たから買いに行きたいとか。

池谷くんが転校してきてから、四人でいるのが自然になってきたから、不思議だ。


「あっ、待って。私、自販機で飲み物買いたい」


ぞろぞろと昇降口を出たところで、利乃が近くの自販機へと走っていく。

別に急がなくても、ちゃんと待ってるのに。

…いや、早くアイスが食べたいだけか。


「…あ、利乃。俺も行く」


すると、そう言って池谷くんが、あたしの横を通り過ぎた。

少しだけドキッとして、利乃のもとへ走っていく彼の姿を見つめる。