「お腹が痛いので、保健室に行ってきます!」
言うが早いか、先生の返事も待たずに教室を出た。
後ろから先生が何か言ってるけど、気にしない。
だってあたしの青春の、一大事だ。
あとでいくらでも、怒られるから。
今だけ見逃してください、先生。
*
「もっ…もしもしっ、慎也!?」
学校を出ると、あたしはすぐに電話をかけた。
見つからないよう、隠れながら通学路を歩く。
『…あ、もしもし。麗奈?』
「はい、小城麗奈です!」
『ぶっ』
うわ、笑われた。
この様子だと、なんかあんまり心配ないのかな。
…利乃とちゃんと、話ができたのかな。



