「お腹が痛いので、保健室に行ってきます!」


言うが早いか、先生の返事も待たずに教室を出た。

後ろから先生が何か言ってるけど、気にしない。

だってあたしの青春の、一大事だ。

あとでいくらでも、怒られるから。


今だけ見逃してください、先生。






「もっ…もしもしっ、慎也!?」


学校を出ると、あたしはすぐに電話をかけた。

見つからないよう、隠れながら通学路を歩く。

『…あ、もしもし。麗奈?』

「はい、小城麗奈です!」

『ぶっ』

うわ、笑われた。

この様子だと、なんかあんまり心配ないのかな。

…利乃とちゃんと、話ができたのかな。