青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「…慎、也」

「この先、麗奈の気持ちに応えたとしても、俺は麗奈を後悔させることしかできないかもしれない」


眉を寄せて、苦しそうに。

彼はそんな、ことを言う。

あたしは必死に、首を横に振った。

「後悔なんか、しない」

「…利乃のこと、引きずってるかも」

「前にも言ったでしょ、あたしも利乃が好きだからいいの!」

「…けど、」

……ああ、もう!

いい加減もどかしくて、彼の両頬にぱちんと手を当てる。

背伸びをして、こつんと額を重ねた。


「…後悔するかしないかは、あたしが決める!慎也が隣で安心して笑ってくれたら、あたしはそれでいいの!」


…目を、そらさないで。

あたしは、ここにいる。

慎也のことが好きな、『あたし』がいるから。

頬から手を離して、びしっとその鼻先に指をさした。


「いい?わかった!?」


慎也はそんなあたしを見て、目を丸くして。

…そして眉を下げて、穏やかに笑った。


「……うん」


その笑みはやっぱり寂しそうで、あたしは苦しくなる。


…伝わった、の…?

不安になって、見上げる。

慎也は目を細めて、あたしを見た。