結局あれから、利乃と慎也には会えなかった。
明日のことを改めて考えると、ものすごく気まずい。
昨日の夜、トモとメールしてみたけど、相変わらず慎也からの連絡は途絶えてるみたいだ。
家まで行ったけど、居留守を使ってるのか、出てこなくて。
…明日、学校に来るかな。
それすらも、なんだか不安になってくる。
キィ、と図書館の二重扉を開く。
課題はもうほとんど終わってるし、今日はどうしようかな。
本でも読もうかな…
色んな本がしきつめられた高い本棚を見上げながら、意味もなく図書館を歩き回った。
その間に気になった本を手にとっていると、気づけば大量になっていて。
一旦机のある場所へ移動しよう、と振り返って、歩き出した時だった。
「………えっ」
目の前に、人がいて。
あたしよりも背の高いその人の上半身を見つめながら、慌てて立ち止まる。
けどその拍子に、持っていた本を勢いよく落とした。
「あ、すみません…!」
足に当たったりしなかったかな。
急いでしゃがんで、落ちた本を拾い集める。
けど、その人もしゃがんで拾うのを手伝ってくれた。



