青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「…ん。麗奈ちゃんはやっぱ、カッコいいなぁ」

「…それ、褒めてんの?」

「当たり前じゃーん」

明るく笑う、トモに救われる。

あたし達、ひとりじゃないから。

たぶん大丈夫。

空の青は変わらず優しくて、あたしは目を細めて見上げた。

…だから、どうかお願い。



大切な人を助けるための勇気が、出せますように。






トモと話した日から、一週間。


夏休みが終わる今日、あたしは図書館へと歩いていた。

…利乃とはケンカ中…だし、遊びに誘うことはできない。

あたしはこれといって趣味もないし、最近は課題を終わらせに図書館へ通っていた。


…二週間前は、慎也と歩いていたはずの道。

あたし、強くなれるかな。

明日、ちゃんと慎也と利乃に、話しかけられるかな。

青空を見上げて、あたしは目を細めた。


…もうすぐ、夏が終わる。

蝉の音も小さくなって、照りつける陽射しも弱くなって。

…なんだか寂しいな、と思った。