「…ん。麗奈ちゃんはやっぱ、カッコいいなぁ」
「…それ、褒めてんの?」
「当たり前じゃーん」
明るく笑う、トモに救われる。
あたし達、ひとりじゃないから。
たぶん大丈夫。
空の青は変わらず優しくて、あたしは目を細めて見上げた。
…だから、どうかお願い。
大切な人を助けるための勇気が、出せますように。
*
トモと話した日から、一週間。
夏休みが終わる今日、あたしは図書館へと歩いていた。
…利乃とはケンカ中…だし、遊びに誘うことはできない。
あたしはこれといって趣味もないし、最近は課題を終わらせに図書館へ通っていた。
…二週間前は、慎也と歩いていたはずの道。
あたし、強くなれるかな。
明日、ちゃんと慎也と利乃に、話しかけられるかな。
青空を見上げて、あたしは目を細めた。
…もうすぐ、夏が終わる。
蝉の音も小さくなって、照りつける陽射しも弱くなって。
…なんだか寂しいな、と思った。



