青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



…うそ、ほんとに?

あたしと、同じこと考えてたってこと?

そう思うと、なんだか嬉しくなって。

…こんなにもぐるぐるとふたりのことを考えてるのは、あたしだけじゃないんだと思った。


「…ふは。なんだ、トモもかぁ」

「そー。でも俺、まだ慎也には何も言ってねえんだよな。あいつ、今連絡とれねえの」


…トモにも?

あたしはあんなことがあった手前、連絡なんてとろうともできなかったけど。

トモにまで連絡絶つなんて、どうしたんだろう。


「…そっか。あたしは家に行っても話してくれないだろうし、トモ、家に行ってみてよ」

「……うん」

まるで他人事のように、笑ってしまう。

トモはそんなあたしを、笑わずに見ている。

…笑ってよ。


いつもみたいに明るく笑ってよ、トモ。



「…麗奈ちゃん、無理して笑ってる」

気づけば、強い目をしたトモと目があっていた。

ドキリと心臓が音を立てて、あたしを揺らす。

…笑ってよ。

トモにまでそんな顔されたら、もうどうしていいかわかんないよ。