「…な、なんで…?なにかあったの?」
焦ったように眉を寄せて、口を動かす。
利乃を見て、ああやっぱりかと思った。
彼女は、あたしと慎也がくっつくことを望んでるんだ。
「…うん。…あたしじゃ、ダメみたい。まぁ、わかってたけどさー」
アハハと笑うけど、利乃は笑ってはくれない。
眉を下げて、何か言おうと必死になってる。
「それ…慎ちゃんが言ったの?」
「言ったっていうか…ごめんって、何度も言われた。そういうことじゃん?」
利乃はなにも言えなくなって、眉を下げる。
…あたしじゃダメなんだよ、利乃。
そう心のなかで呟いて、握りしめた手を見つめる。
麦茶に入った氷が、カラン、と音を立てた。
「……麗奈、ちゃん」
利乃は顔を上げると、唇を噛んであたしを見つめる。
あたしも、まっすぐに見つめ返した。



