青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



辺りに広がる水溜りに、青い空が映っている。

揺れる緑の木々から雫が落ちて、水溜りが跳ねた。

高い温度が、俺をあの頃へ還す。

肌を灼く太陽の眩しさが、麗奈と重なった。


『約束だよ』


利乃。

もうすぐ、夏が終わるけど。


俺たちは、いったいどこへ行けばいいんだろう。






「もしもし、利乃?」


天気雨が上がったあと、あたしは利乃に電話をかけた。


「今、家?…うん、ちょっと話したいことあるんだけど、お邪魔していいかな」

利乃の家へと歩きながら、なんでもない風を装って話をする。

けど少しの間話をしただけで、利乃には気づかれてしまった。


『…麗奈ちゃん、何かあったの?』


その心配するような声が、身体のなかを駆け巡る。

……やっぱり、あたし。

利乃のこと、好きだなぁ。