「ふたりのこと、好きだから。…知らないまんま、見てるだけなのは、苦しい」
まっすぐに見つめると、慎也はあたしから逃れるように、目をそらした。
…まただ。
彼はあたしの想いから、少しずつ、逃げようとする。
「…麗奈が聞いたって、たぶん困るだけだよ」
「…なんで?」
「俺と利乃は、弱いから」
そう言った慎也の瞳は、揺れていた。
風に揺れる木々が、彼に影を落とす。
慎也は寂しそうに、言った。
「…俺は利乃がいなきゃダメだったし、利乃もそうだった。…どうしようもないからさ、…このままでいいんだよ、俺達は」
…『このままでいい』なんて。
本当にそうだったら、君は今、どうしてそんなに苦しそうに笑っているの。
あたしの、わがままかもしれない。
何もしないままなのはもう嫌だ、なんて、あたしの自己満足だ。
…けど。
慎也と利乃は、それでいいの?



