その反応に、ガーンとショックを受ける。

慎也は慌てて「いや、今のはなんでもない!大丈夫!」と手をぶんぶんと横に振った。

その慌てようが彼らしくなくて、思わずキュンとする。

…やっばり、意識、してくれてるんだ。


「…え、えっと……きょ、今日」


ドキドキドキと、激しく心臓が脈打つ。

本当なら近くにいるはずのトモは、利乃が気を利かせて教室の外へ連れて行ってくれていた。


あたしの言おうとしていることに気づいたのか、なかなか言えないあたしを、慎也は黙って待ってくれている。

「えと、できたらで、いいんだけど」

顔が熱くてたまらない。

汗までかきそう、ああ、これは冷や汗かもしれない。

あたしの照れが伝染して、慎也の頬も赤くする。

…こんなに緊張するし、恥ずかしくて死にそうになるようなことを、世の中の乙女達はしてるのか。

むしろ、尊敬すらします。

恋って、スゴい。


「今日……っ、一緒に、か、帰ってくれませんか!」


あたしに、こんなことを言わせるんだから。


足先から湧き上がってくるような恥ずかしさに、唇を噛んで耐える。