すると、棚にいくつか写真立てが置かれているのに気づいた。
立ち上がって、見てみる。
幼い慎也と利乃の写真、あたしと遊んだときの写真…あ、こないだ四人で遊んだときに撮ったやつもある。
この中に女子が利乃の他にあたししか映ってないから、なんだか自分が利乃にとって、大切な友達なんじゃないかと思えてくる。
…そう思って、いいかな。
思い、たいんだけどな。
もう一度座ろうと思って、足を動かす。
けど、靴下がフローリングに滑って、慌てて白いカラーボックスの角を掴んだ。
「…う、わっ……あっ!」
はずみで、二段目に置いていた箱が落ちてきた。
バラバラと、中にあったものが床に散らばる。
拾おうと焦って床を見下ろしたあたしは、目を見開いた。
「……手紙………?」
あたしの周りに散らばっているのは、何十枚もの封筒だった。
しばらく、呆然とそれらを見つめる。
けど、その裏に書かれていた文字を見て、あたしはバッとその一枚を手にとった。
…宛、先は。
「池谷、慎也……」
切手の貼られていない、何十通のもの手紙達。
ぜんぶぜんぶ、慎也へ宛てたもので。