「……あり、がと」
なぐさめて、くれてるんだよね。
トモは本当に、いい奴。
…それに比べて、自分がすごく不甲斐なくて嫌になる。
トモはこんなあたしを好きになってくれて、こうやってなぐさめてくれて。
なのに、あたしは好きになった人でさえも元気付けられない。
…大切な友達が辛い思いをしてるのに、何も言ってあげられない。
変わるって決めたのに、やっぱり上手くはいかない…
明るく振る舞うことも出来なくなったあたしから、トモは空へと視線を移した。
夏風で、紺色のスカートが揺れる。
空の青が、制服の白へと落ちてきそう。
トモは不意に憂いた瞳をして、空を見つめながら、「利乃ちゃんさ」と言った。
「たぶん、慎也から離れようとしてるんだと思う」
………え?
はな、れる…って。
目を見開いたあたしを、トモはまっすぐに見つめてくる。
そして、「麗奈ちゃんも気づいてるでしょ」と言った。
「利乃ちゃんが、麗奈ちゃんと慎也をくっつけようとしてること」
心臓が、ドキンと鳴る。
…薄々、感じていたことではあったけど。
他人から言われると、こうもモヤモヤするものなんだ。



