「なな、なんで…っ」
「バレっバレですけど。ついでに訊くけど、夏祭りの日、なんかあった?告白でもした?」
なんでわかるの、こいつ。
トモは一見何も考えてなさそうで、実は色々鋭かったりするから、侮れない。
顔が熱くなるのを感じながら、あたしは仕方なく「…うん」とため息をついた。
…恋愛のことで、トモに余計な嘘はつきたくなかった。
彼が素直に思いを伝えてくれたから、あたしも素直な気持ちでいたかった。
「夏祭りの日に告白して、フラれた。当たり前だけどねー」
「…やっぱり。昨日、なんか麗奈ちゃんと慎也、気まずそうだったし」
「バレてたんだぁー。あたし、なんか恥ずかしいね」
ハハッと笑ってみたけど、トモはちっとも笑ってくれない。
あたしは夏祭りの日のことを思い出しそうになって、「あ、夏祭りといえばさぁ!」とわざと大きな声を出した。
「あたしが告白までしちゃったのは、利乃とトモが来なかったからだからね!」
もおーっ、と、怒った素振りをしてみる。
トモはあたしを見て、「ごめん」と言う。
…やっぱり全然、笑わずに。
「あれ、利乃ちゃんも俺も、わざと。行けない理由とかもぜんぶ、嘘だよ」
……目をそらしていた事実を、教えてくれた。



