『……利乃は、わがままだね』


彼女は少しだけ驚いたような表情をしたあと、すぐに『でしょう?』と笑った。


『わたし、きっと慎ちゃんがいてくれたら、もう何もいらなくなっちゃうね』


愛らしく無邪気に、笑う。

愛しくて透明な、青に満ちた夏の日。


君に、恋をした。