不意に慎也と目があって、さらに驚く。
…気まずくならないように、気まずくならないように…!
心の中で何度も繰り返しながら、あたしは口を開いた。
「お…おはよ!慎也、トモ」
トモもあたしに気づいて、元気良く「おはよー!」と返してくれる。
慎也もいつも通りに笑って、「おはよ」と言ってくれた。
…そう、いつも通り。
それが嬉しいような、少し悲しいような。
けど絶対、近いうちに『あきらめない』宣言をしなきゃいけない。
それがいつかは、まだ決まってないんだけど。
…彼の中のあたしは、もう『ただの友達』じゃなくなったわけだから。
早いとこ、言わなきゃ。
トモと笑い合う、彼の姿をさりげなく視界へ入れる。
………頑張れ、あたし。
*
放課後。
あたしは先生に呼ばれて、職員室に行っていた。
「失礼しました〜…」
ガララ、と職員室の扉を閉める。
はぁ、とため息をついた。



