青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



……でも、愛しい人ばかりを映すその瞳から、目をそらしたくないと思った。

彼の、悲しくて寂しい恋心から。


…逃げたく、ない。



「……あたしも、ね」

俯いたまま、呟くように言う。

震えないよう、抑えて。


「……好きな人、いるの」


…喉の奥が痛い。

今にも涙が溢れてきそう。

でも、耐えなきゃ。

変わるって、決めたから。

ぶつかるって、決めたから。

手に入らなくても、失うかもしれなくても。


それでも見つけた大切な感情を、あたしはなかったことにしたくない。


唇をぎゅっと噛んで顔を上げると、驚いたようにあたしを見つめる彼の顔があった。

その表情に、思わずふふっと笑う。