ビクッとして、携帯を落としそうになる。

見てみると、利乃から着信。

慌てて通話ボタンを押した。

「もしも…」

『ごめん麗奈ちゃん〜!連絡超遅くなったぁ』

「…いいから、あんた今どこ?誰も来ないんだけど」

『今日、行けなくなったぁ!』

「はぁ!?」

あまりの驚きで、声がデカくなる。

周りの人が、ざっとこっちを向いた。

恥ずかしくなって、すみませんすみませんと頭を下げながら、「ちょっとそれどういうこと」と小声で訴える。

利乃は申し訳なさそうに、『急用!親が親戚の子預かってきたの』と言った。

『けど、今から出かけるとか言い出してさぁ。私、家にいなきゃいけなくなっちゃって』

超ムカつくー!と泣き出しそうな声で言われる。

し、親戚の子…。

そりゃ仕方ないけど…けどぉ!