青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「わかんねーよ………」


全然、わからない。

彼女は今…何を、考えてる?






「お祭りだよっ、麗奈ちゃん!」


七月の最終日。

あたしと利乃は、街の中でも大きなショッピングモールに来ていた。

二日後は、夏祭り。

だからなのか、久しぶりに遊びに来たからなのか。

利乃のテンションが、いつも以上に高い。若干ついていけない。


「…うん…利乃、それ今日五回目」

「だってだって、お祭りだもん!ウキウキだよ〜」

きゃいきゃいとはしゃぐ利乃は、長い髪をポニーテールにして、可愛らしいワンピースを着て。

周りの…特に男からの視線を、至る所から集めている。

そのうち、ナンパされそう。

いや、されたらあたしが守るけど。

「お祭りって言ったらさぁ〜、やっぱり花火だよね。好きな人と見る、花火!きゃあ、ロマンチック〜!」

服を見ながら、楽しそうにペラペラ喋る利乃。

…そういう乙女な発想、あたしはなかなかできないから、すごいと思う。