「わかんねーよ………」
全然、わからない。
彼女は今…何を、考えてる?
*
「お祭りだよっ、麗奈ちゃん!」
七月の最終日。
あたしと利乃は、街の中でも大きなショッピングモールに来ていた。
二日後は、夏祭り。
だからなのか、久しぶりに遊びに来たからなのか。
利乃のテンションが、いつも以上に高い。若干ついていけない。
「…うん…利乃、それ今日五回目」
「だってだって、お祭りだもん!ウキウキだよ〜」
きゃいきゃいとはしゃぐ利乃は、長い髪をポニーテールにして、可愛らしいワンピースを着て。
周りの…特に男からの視線を、至る所から集めている。
そのうち、ナンパされそう。
いや、されたらあたしが守るけど。
「お祭りって言ったらさぁ〜、やっぱり花火だよね。好きな人と見る、花火!きゃあ、ロマンチック〜!」
服を見ながら、楽しそうにペラペラ喋る利乃。
…そういう乙女な発想、あたしはなかなかできないから、すごいと思う。



